天然素材だけで健康住宅はできない

2011.09.30

細菌の住宅でも、「光熱費ゼロ」など特定の機能や性能を強調しているケースが少なくありません。平成12年(2000年)4月に施行された住宅品質確保促進法に基づき、同年秋から住宅性能表示制度が導入され、いくつかの性能が数字で表されるようになったことも影響しているのでしょう。もちろん、そうした機能を積極的にアピールしたりしていますが、あくまで住宅全体のバランスを考えた上でのことであることはいうまでもありません。健康についても同じことがいえます。お子さんのアレルギーなどでお困りの方の中には、自然素材で家をつくりたいというご希望が少なくありません。ムクの木、漆喰や珪藻土の壁下には炭を敷き詰め、床の仕上げには柿渋など天然の塗料を使うといった具合です。確かに、こうした天然素材は独特の風合いがあり、私も高く評価しています。ただ、天然素材を使えば必ず健康住宅ができるかというと、決してそういうわけではありません。たとえば、檜や杉の本に含まれるヒノキチオールなどの天然成分は、人によっては逆にアレルギーの原因になったりします。床下に敷いた炭や壁の珪藻土も、調湿作用があるのである程度、湿気を防ぐ効果がありますが、無限に湿気を吸い込むわけではなく、飽和状態になると逆にカビが繁殖したりします。それに、天然素材はどうしてもコストが高いという問題もあります。十分な予算があるなら別ですが、天然素材にばかりお金をかけると、計画全体のバランスが悪くなるおそれがあるのです。

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