家族そろって体調を崩して半年余り。開けっ放しの戸の外で、屋上の携帯基地局の補修に作業員が行き来するのを眺め、母親はふと「疑念」を抱いた。インターネットで調べると、携帯基地局などの周辺での「健康被害」を訴える声が数多く紹介されている。一家が暮らすマンションでは、2000年に周波数800MHZの基地局が、08年春に2GHZの基地局が新たに設置された。家族の「異変」の多くは、振り返れば08年春以降に起きている。
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母親が総務省や携帯電話会社に相談するも、「電磁波が基準内なら問題ない」と言われるのみ。それでも疑念が拭えない母親が父親を説得し、家族でウイークリーマンションへと避難した。すると、わずか一週間ほどで目覚しく体調が回復した。娘たちの鼻血が止まり、長男の不整脈も治まった。両親の頭痛やめまいが消え、難病だったはずの母親の症状もほとんどが現れなくなったという。両親はマンション理事会で自らの体験を訴え、理事会は住民説明会を設けた。携帯電話会社の担当者らは電磁波の測定を行い、改めて「国の基準内なので問題はない」と強調したが、説明会を重ねるうちに、他の住民にも様々な異変が起きていることが判明した。