マスタープランの発表後、団地の隣の空地を所有する不動産会社から、耳よりな話が寄せられた。空地に七六八戸のマンションを新築し、団地住人がそっくり移り住む。それと交換条件で団地の土地を譲ってほしい。差額は金銭で清算しようという提案だった。工事期間中の仮住居問題が、いっぺんに解決する魅力的な案だった。しかし管理組合が「具体案を」と指定した期日までにそれ以上の話はなく、結局、立ち消えとなった。デベロッパーの反応は、予想したよりも鈍かった。
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マスタープラン提示から一年余りが過ぎた九九年初頭、ようやく最大手のデベロッパー・三井不動産が手を上げた。近年、首都圏の都市再開発は、四大デベロッパーに牽引される形で「地図が変わるほど」激動している。まずは「丸の内の大家」といわれる「三菱地所」を中心としたグループ。新丸ビルの建設が象徴的だ。もうひとつは丸の内から新宿へと移転し、西の副都心開発を進めた「東京都」。新宿西口は、この一〇年で超高層ビルが建ち並んだ。一方で港区をマンハッタン化しようと突き進むのが「森ビル」だ。六本木ヒルズのオープニングは記憶に新しい。