欧米のワークスタイルを六本木ヒルズで実現

2011.12.02

欧米でもこうしたオフィス、こうしたワークスタイルがあることに気づき、頭に焼き付いた。六本木ヒルズならば実現できる。映画の撮影所や体育館のような大空間をつくってみよう。かならずこうした無柱の巨大空間を必要とする業務があるはずだ。そう思って、六本木ヒルズの総面積の約半分を森タワーに集め、周囲への影響の少ない敷地の真ん中に配置した。より広い執務空間を確保するため、ダブルデッキエレベーター(カゴの部分が2階建てになっているエレベータ)を採用した。

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これによってエレベーターの数は半減し、コア部分は最小になった。貸室の有効率も輸送力も高まり、テナントに使い勝手のよい、大空間を提供することができた。ダブルデッキエレベーターの効用はそれだけではない。展望台や美術館行きの大型エレベーターや特大の荷物用エレベーターも設置できた。以前、森美術館で、偉大な建築家でアーティストでもあったルーコルビュジェの展覧会を開いた。その際、美術館の中に実物大の住宅やコテージを再現して話題を集めたが、これも特大の荷物用エレベーターがあったから実現できたことだ。また、これは車も搬入できるほどの大きさがあったので、BMWの展示会場としても使われ、「空前の成功例」という評判をとった。アカデミーヒルズや六本木ヒルズクラブも、ワンフロアの大きさと22人乗り2カゴ(合計44人)のエレベーターが両輪となって、ひとつの「街」としてデザインできたのである。ちなみに上層階の文化施設(森アーツセンター)には、年間約300万人が訪れている。